企画:JyadouGuys
製造:ATOLL
発売:バレーヒル
全長:30mm
重量:1.4g
タイプ:トラウトスプーン

             〜スプーン〜
 管理釣り場でのトラウトフィッシングをはじめてかれこれ10年くら
いになる。そんなに長くやっていたのにトラウトフィッシングでスプー
ンを使う機会はあまりなかった。バスフィッシングの延長の釣りだっ
たのでミノーやシャッドばかり使っていた。                
 スプーンをまともに使い出したのは3年ほど前だった。キッカケは
単純明快、いっぱい釣る人を見かけたから・・・。そして、スプーンの
釣りを少しずつ覚えるようになっていくと、バスフィッシングの延長・・
というイメージがなくなり、管理釣り場のトラウトフィッシングそのも
のを楽しむようになっていった。スプーンを使った釣りが“すべて”
だとは思わないけど、ぼくにとって管理釣り場のトラウトフィッシング
にさらに足を踏み込む“キッカケ”になったことは間違いない。   



            〜開発話No.1〜
               『コンセプトその1』

 嵐山FAが出来て釣りをする機会が増えたために、一昨年からいろい
ろなスプーンを使い込むことができ、見えてきたモノが多々あった。そ
の一つに「スプーンの動きのバリエーション幅の少なさ」があった。
 厳密に見ればどれも全く違う動きをしているのですが、その差があ
まりにも微妙で、いざ使い分けるとなると、よほどスプーンを理解して
いる人でないと難しいモノが多くあった。実を言うとぼくも迷ってしまう
くらいだった。
 そこでハッキリと他のスプーンとは違う動きをするスプーンを作りたく
なった。そうすれば初心者でも迷うことなく使い分けができるし、その他
大勢のスプーンになってしまい表舞台から消えることもない。でもだか
らって、闇雲に全く違った動きをするスプーンを作ってもダメなことは百
も承知していた。
 今までにない動き=よく釣れる動き・・これを見つけ出すことにした。



             〜開発話No.2〜
             『コンセプトその2』

 今までにない動き=よく釣れる動き・・これを探し出すには“観察”
以外はいらなかった。来る日も来る日もトラウト(特にニジマス)が喰
う瞬間とその瞬間のスプーンの動きの因果関係を観察していた。自
分が
釣れないときは人が釣っているのを観察していた。ぼくよりたくさ
ん釣る上手なアングラーが、ぼくの周りにはたくさんいたのでとても
助かった。ありがとう〜!
 そうして見つけた因果関係が2つあった。そのうちの1つをパタフラ
イ!のコンセプトに据えた。もう1つは次回作・・・。
 パタフライ!に据えたコンセプトは“意図しない不規則”だった。よ
く釣れると言われているスプーンのうちいくつかは、この“意図しない
不規則”を持ったスプーンだった。キレイなスイミング姿勢で泳いで
いる途中になんらかの影響でアングラーが意図しないイレギュラー
な動きが発生!・・この瞬間に多くのトラウト達がバイトしていた。
 そこでこの“意図しない不規則”な動きを誰の目から見てもわかる
ように大げさに出せるスプーンを目指した。大げさにしたのは同じよ
うなモノを作っても、その違いがなかなか理解されなく、下手をする
とその他大勢になってしまうからだった←コンセプトその1ですね。
ところがどっこい大げさな動きはすぐにだせても“意図しない”って
部分を具現化することに難航した。



              〜開発話No.3〜
               『意図しない・・』

 “意図しない”動き、これは簡単に言うと、「アングラーが何もして
ないのに出る動き」ということになる。では、どうして“意図しない”動
きがいいのか?正直言ってわからないのです・・・。ただ多くのバイ
トシーンを見る限り、アングラーが意図的に出した動きよりも、アン
グラーが意図しない動きが出たときのほうが明らかに結果はよかっ
たのです。ルアーの持つ“自発性”が関わっているのかな?・・なん
てふうに考えているのですが・・・



             〜開発話No.4〜
            『理想への試行錯誤』
 
 アングラーが何もしない、つまりタダ巻きで不規則なアクションを
出す!しかも大げさに!言うが易しのこのコンセプトですが、ちょっ
とやそっとの想像力で具現化することは不可能に近い作業でした。
そもそもお手本がないのです。これに近い動き・・なんてことは一
切考えず、どれとも全く違うモノを目指したので参考にするものが
なかったのです。
 でも、何日も何日も頭を柔らかくして固定観念を捨てよーく考える
と1つの形が浮かんできました。そこで、その形を市販されている
真鋳板で自作し嵐山FAに持っていき泳がせてみました。見事に!
・・泳がない変な物体だったことが判明しました。が、しかしそれを
キッカケに試行錯誤をすることができました。
 そして、試行錯誤をはじめて2日目・・なんと!たった2日で自分
が理想とする“意図しない不規則”な動きをするモノが完成しまし
た。あれほど不可能に近い・・なんて思い込んでしまっていたのに
ビックリ仰天です。真面目にやればなんでも出来てしまうんです
ね。でも、自分が理想としてるだけで、もしかするとトラウトにとっ
ては全く興味の引かないモノの可能性がありました。



             〜開発話No.5〜
                『お伺い』

 トラウトへのお伺いには時間をかけました。嵐山FAだけでなく日本
全国のトラウト達にお伺いをたてました。ワールド戦のプリプラを抜
け出し管理釣り場に行ったこともありました。
 また自分だけが使ってお伺いをたてるのではなくて、ぼくよりも腕
の立つトラウト仲間やトラウト初心者の方々にも使っていただき、
トラウトからの反応を見ました。
 そうして若干の変更箇所が発生しましたが、自分の理想とトラウト
の気持ちが合致したスプーンが完成しました。
ばんざい〜!

             
<動きの解説>
1、リールのハンドルを巻くのみ!
そうすると、左右へフラフラと蝶のようにフラつきながら泳い
できます。このフラつきは一定のリズムで行われることはなく。ど
こでどう左右にフラつくかは誰にもわかりません。
トラウトはこの不規則にフラつく物体に興味を持つと延々と追尾し
て最終的には喰いついてしまいます。きっと、不規則な動きでスプ
ーンに飽きることがないんでしょうね。例え喰いつかないとしても何
回も何回もスプーンを追いかけてきます。

2、タダ巻きの途中にリールのハンドルを巻くのをストップさせる!
そうすると、スプーンが右か左にクルクル回りながらフォールして
いきます・・・右にフォールしたなら、しばらくすると左にフォールし
だします。つまりジグザグにフォールしていくわけです。
この動きもアングラーが意図して出すことはできません。アング
ラーができることはストップさせることだけです。
活性の落ちたトラウトや、深場でじっとしているトラウト達はこのフ
ォールにいとも簡単に喰いついてきます。たまに口を開いて喰う
ぞ!って瞬間にフォールする方向が急に逆方向に変わって喰い
損なってますが・・・



              〜開発話No.6〜
               『難題パートU』

 実は最大の難関はスプーンの形が決まった後にありました。そう
このスプーンを商品化するためのプレゼンでした。BuruBuruにして
もPuriFuraにしても邪道本部と相談して「じゃぁ作ろう!」ってことにな
っていたのですが、このスプーンだけはぼくの独断と偏見で作ってい
たのです。ですのでボツになる可能性がありました。
 そこで企画書なるものを作成し、邪道本部に出向き説得作業に取
り掛かりました。ドキドキしながら説明を繰り返すこと数分・・なんと
あっと言うまに商品化に向けての承認がおりました。「さとしくんがそ
んだけ言うんやったらやってみるわ〜」・・ありがたいお言葉でした。
 その後はもっと精密なテストサンプルを作っていただき、さらに形
と色を煮詰めていくことができました。このときの煮詰める作業で、フ
ロントアイの形を楕円形にしたほうが、動きのなかにさらに意図しな
い動きが生み出せることが判明しました。



             〜開発話No.7〜
              『彩(いろどり)』

 色を決めるにあたって考えたことは“自分の経験”&“自分の知
識”でした。経験から釣れると信じこめる色、知識から釣れると信
じ込める色をチョイスしました。ですのでパッと見た目はオーソド
ックスな色が多く見えますが、そのオーソドックスな色でもいろい
ろと細かく色をチョイスしました。
 特にこだわったのはパールカラーでした。単にパールカラーとい
っても1色だけの話ではなく、それはもうたくさんのパールカラー
が存在します。そのたくさんのパールカラーからトラウトが興味を
ひきそうなパールカラーを選びました。パタフライには表裏が違う
カラーが塗ってあるものが4色あるのですが、これらの裏に塗っ
たパールカラーはすべて違うカラーで、表のカラーとのマッチン
グやトラウト達の反応を考えてチョイスしました。
 管理釣り場はところが変われば釣れる色が変化してきます。で
きうる限りその色を調査し調合したつもりです。またその中で自分
のオリジナルティも加えました。



             〜開発話No.8〜
                 『名前』

 このスプーンは当初「SPOON:N」と呼ばれていました。なにが
キッカケか忘れてしまいましたが・・「かっこわるいアルファベットを
名前にしよう〜」なんてことになってしまい、栄えあるかっこわるい
アルファベットに【N】が輝き、「SPOON:N」となってしまいました。
で、なんとその名前が最終決定になりそうになったり、お店さんの
注文をその名前で取ってみたり・・・
 ぼくが名前に取り入れたかったのは「蝶」でした。動きが「蝶
」にそっくりなので何か「蝶」に関連した名前をつけたかったので
す。そして思い付いたのが「バタフライ」・・安易ですね。次に思い
付いたのが「Chou−Cho」・・これまた安易ですね。こんな風に
あまりに安易な名前ばかり思いつくので、ある日バレーヒルNさんが
立ち上がりました。そして試行錯誤すること数日・・決まった名前が
「パタフライ!」でした。名前決定のメールに「追伸:パパンがパン!
」と書いてあり、その一言でぼくも「パタフライ!」に決めました。←な
んのこっちゃ??
 ちなみにパッケージですが、まずはパタフライ!のロゴが見もの
です。まんまパ〇リ〇です。そしてパッケージを開けるとぼくの似顔
絵と一言コメントが・・この一言コメント、実はいっぱい種類がある
んです。



                〜余談〜
 トラウト用に作ったパタフライ!ですが、野池のバスやギル、海の
メバルやアジまで釣れてしまいました。予測のできない不規則な動
きが魚達を飽きさせないために釣れるんでしょうね。
機会があればでっかいバージョンを作ってみようかの〜
もっといろんな魚が釣れたりして・・・



               〜誕生日〜
実をいうと誕生日ははっきりわかりません・・・。
いつの間にやら出来ていて、いつの間にやら釣っていた・・そんな感
じです。なんだかんだでちょびっとずつ変化を加えてましたからね。
ん〜でも、あえて言うなら2004.8.15ですかね・・。この日に最
後の一色を決定しましたから。でもその色で初めて釣ったのは20
04.8.29なんですけどね〜・・・


               まぁ、なにはともあれ
        
    パタフライの完成です〜!